たばこの体への影響

たばこを吸う人の死亡率は吸わない人より高く、国内で喫煙に関連する病気で亡くなった人は年間で12万人~13万人、世界では年間500万人以上と推定されています。
さらに、国内の調査では20歳よりも前に喫煙を始めると、男性は8年、女性は10年も短命になることが分かっています。
たばこの害
たばこに含まれる有害な成分
たばこの煙には三大有害物質であるニコチン、タール、一酸化炭素の他にも70種類以上の発がん性物質が含まれています。
ニコチン
依存症にさせる作用があります。血管を収縮させ、血液の流れを悪くする作用もあり、動脈硬化を進行させます。
タール
たばこのヤニの成分。発がん性物質などが数十種類以上含まれています。
一酸化炭素
酸素を運ぶ機能を阻害し、酸素不足を引き起こします。動脈硬化を進行させます。
吸っている本人への害
たばこはがんをはじめ、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や結核などの呼吸器疾患、2型糖尿病、歯周病など、多くの病気と関係しており、予防できる最大の死亡原因であることがわかっています。
また、喫煙を始める年齢が若いほど、がんや循環器疾患のリスクを高めるだけでなく、総死亡率が高くなることもわかっています。
周囲の人への害
非喫煙者がたばこの煙を吸うことを、受動喫煙と言います。
普段たばこを吸わない人は、たばこの煙に対する感受性が高く、他人の煙を吸うと、少しの量でも大きな健康被害(頭痛、頻脈、皮膚温低下、血圧上昇など)を受けるという報告があります。
また、たばこの煙は家具や壁紙、カーテンなどの表面に付着した後、徐々に空気中に再遊離します。たばこの煙がない環境でも、たばこの臭いが僅かでも残っていると、たばこを吸わない人は、受動喫煙と同様にたばこ由来の有害物質にさらされていることになります。
たばこへの依存
たばこがなかなかやめられないのは「意志が弱いからだ」と思い込んでいる人がいますが、禁煙できないのは、ニコチン依存症という病気が原因です。
ニコチン依存症の人はニコチンが切れるとイライラやストレスを感じるようになります。ここで喫煙すると脳波が一時的に正常に戻るだけでなく、快感物質(ドーパミン)も放出されるため、「たばこでリラックスできる」と錯覚してしまっているのです。
あなたのニコチン依存度は…?
禁煙治療の保険診療で用いられる、ニコチン依存度テストです。
全10問で、点数の総計で依存度を判定します。「はい」に当てはまる場合は1点、「いいえ」の場合は0点を足します。総計が5点以上の場合、「ニコチン依存症」と診断されます。
はい 1点 |
いいえ 0点 |
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問1. |
自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか? |
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問2. |
禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか? |
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問3. |
禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか? |
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問4. |
禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか? |
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問5. |
問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか? |
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問6. |
重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか? |
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問7. |
タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか? |
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問8. |
タバコのために自分に精神的問題(注意)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか? |
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問9. |
自分はタバコに依存していると感じることがありましたか? |
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問10. |
タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか? |
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合計 |
注意:禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態。
禁煙
禁煙と健康への効果
「長年タバコを吸っているから、今さら禁煙しても変わらない」と誤解していませんか?そんなことはありません。タバコをやめた時点から、体には様々な効果が現れます。
またこの他にも、周囲の人が受動喫煙を受けるリスクが大きく下がる、食べ物をおいしく感じるようになる、目覚めがさわやかになるなど、日常生活の中でも効果を実感できるといわれています。
禁煙後20分 |
血圧や脈拍が正常化する |
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12時間 |
血液中の一酸化炭素が正常になる |
2-3週間 |
心機能が改善する / 肺機能が回復する |
1-9ヶ月 |
咳・息切れ・疲れやすさが改善される |
1年 |
上昇していた冠動脈疾患のリスクが半減する |
5年 |
脳卒中のリスクが非喫煙者と同じレベルになる |
10年 |
肺がん死亡率が喫煙者の半分になる |
15年 |
冠動脈疾患のリスクが非喫煙者と同じレベルになる |
禁煙に向けての一歩
禁煙は、自力で行う方法と、医療機関で禁煙治療を受ける方法があります。
自力での禁煙
自力で禁煙をする場合は、まずは禁煙を開始する日を決めます。何かの記念日や誕生日など覚えやすい日がよいでしょう。また、禁煙する理由をはっきりさせる・周囲の人に禁煙の決心を伝えるなど事前に準備をしてから始めることが勧められています。
医療機関での禁煙治療
いくつかの条件(自らが直ちに禁煙をしたいと望んでいること、スクリーニングテストでニコチン依存症と診断された人など)に当てはまる場合、健康保険を利用して禁煙治療を受けることができます。
費用は個々の治療条件によりますが、おおむね1日のたばこ代より安い金額で、自分だけでなく、周りの人の健康にも貢献できます。
また、禁煙補助薬を使うことにより、離脱症状(禁断症状)といわれる不快な症状を和らげることができます。
禁煙治療を希望する場合は、まずはご自身のかかりつけ医に相談してみてください。
この記事に関するお問い合わせ先
健やか未来部健康づくり課健康増進係
住所:〒375-8601群馬県藤岡市中栗須327番地
電話番号:0274-40-2808
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更新日:2023年04月01日